リサイタル雑感~その2~

2006年11月21日
リサイタル雑感~その2~

さて、しっかり滞ってます。(書くことが無いと思われているかも?)
ということで、今回のリサイタル雑感は「回顧録」と題しまして
お送り致します。

前回も書きましたが、今までにない打楽器リサイタルの構想は、
私の過去・現在・未来を含んだ「原点回帰」をテーマとして動き出しました。
今一度、自分の音楽を振り返る作業が必要となるわけですね。

それでは以下、「回顧録」のはじまりです。

私は10歳の時に和太鼓を通して打楽器に触れました。当時の私は体も弱く、
何をやってもパッとしない「元気」や「自信」等とは程遠い、そんな少年だった
と記憶しています。

貧弱な私が叩いても太鼓は大きな音で、「どぉーん」と響いてくれる。
私は驚きと感動で一杯でした。まさに、「打てば響く」和太鼓です。

私の故郷(旭川市の隣町、東神楽町)には地域郷土芸能の一環として、
「義経桜太鼓保存会」があり、父のすすめで「子ども太鼓部」に所属して
いました。楽譜を用いない「口承伝術」により体得を重ね、シンプルな曲から、
徐々に難易度の高い曲にシフトしていきます。物覚えの悪い私(今もだね)
はいつも皆の足を引っ張っていました。やがて同時に始めた弟にも追い抜
かされそうな気配が・・・。兄としての威厳と立場が問われます(!)

「どうする、新村泰文。」

何れにせよ、今もあの頃も特に大差は無いですね・・・。
さて、和太鼓が私のルーツである以上、何かしら今回のリサイタルに
和太鼓を取り入れたかったのですが、久しく叩いていない和太鼓の撥
(バチ)を握り私が演奏する事は、和太鼓と西洋打楽器では基本奏法
が異なるため、どう考えても無理なのです。なにやら難色ムード・・・。
はい、「原点回帰」&「回顧録」終了。。。

いえいえ、困ったときは、つまり自分が出来ない事は人に頼む!
大切な教訓を忘れていました。その手がありましたよ!

更に、ここで最強のアドバイザーが登場致します。
「ギタリストの曽山良一氏」です。私の音楽活動を知るキーマンであり、
私の音楽の師であります。深夜に及ぶミーティングは数回にも亘りました。
一つのアイデアが、無数に展開します。どれもが現実味を漂わせています。

「あとは、自分次第なんだ。」と熟考を重ね、生みの苦しみを味わう。

尊敬する日高さんからは「苦しみを楽しみに変えてがんばりましょう」と、
叱咤激励のメールが届きます。絶対に成功させなければならない!!
沢山の方に支えられている事に、感謝しなくてはなりません。
私は何をやるかの内容に振り回されて、私がワクワクする事を忘れていました。

自分の心から溢れる音楽を打楽器を通して分かち合いたい。
いかにして、ルーツである和太鼓や和の要素をエッセンスとして取り込むか。
現在のスタイルを構築するにいたった、様々な音楽要素が融合した独自の
視点、ありのままの新村泰文の表現を大切にするということ。

かくして、多数の共演者を迎えた贅沢なリサイタルの原案が出来上がりました。
おそらく厚生年金会館史上、今までに無いコンサートと言えるでしょう。
前代未聞のリサイタル、「はたしてお客さんは受け止めてくれるのか?」
大きな大きな不安とリスクが私を襲います。武者震い・・・カタカタカタ。

リサイタル終了後数日して、曽山氏からこんなお言葉を頂きました。
「あれは大きな賭けだったと思う。だれにもどうなるか分からなかった。
いずれにせよ無事に大成功で終わり本当に良かったな。」
準備期間に抱えていた悩みや不安も、終わってしまえば寂しく思えます。

次回は「リハーサル回想」と題しましてお送り致します。

(ごめんなさい!画像をすっかり忘れてしまいました!)


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